お客様をお迎えするお部屋は、簡素でありながらも風情がただよう伝統的な数寄屋風。どのお部屋からも庭の眺めを楽しんでいただけます。その庭をへだてた向こうからは、金森長近公が京の加茂川に見立てた宮川のせせらぎが響き、閑静な趣をいっそう際立たせています。
何よりも居心地のよさを大切にすること、それが飛騨のおもてなしの心といえるでしょう。
夏は簾仕立ての引き戸からの川風を楽しみ、冬は障子に映る雪明りを愛でる、そうした茶人の心もまた、お楽しみいただきたいのです。
座敷に居ながらにして、月明かりも、雨音も、宮川の瀬音も、森羅万象のすべてを感じることができます。この浮世離れした空間こそ「宗和好み」の佇まいなのです。
自然の営みとともに暮らしてきた、高山ならではの時の過ごし方は、季節ごとに、また時間の流れるままに多彩な表情をお見せすることでしょう。